歴史上の超明るいレンズ

Zeiss 50mm f/0.7 lenses made for NASA

NASAのアポロ計画のために10個作られて、6つはNASAに販売され、1つツァイスが保管、3つはキューブリックに販売されたとか。
レンズシャッターを付けてハッセルブラッドに装着されました。
ハッセルブラッドに装着されたのですが、月面で使われたハッセルブラッドを見ればわかりますがファインダーはないので、SWCみたいな感じで使ったのでしょう。

映画「バリー・リンドン」に使われたプラナー

「バリー・リンドン」のワンシーンを蝋燭の灯りだけで撮りたいキューブリックは明るいレンズを探し、ツァイスがNASA向けに50mm f0.7という超明るいレンズを開発したことを知り、ツァイスに打診、買い取る。
レンズ自体はNASA向けに開発されたものと同じ。
ただ、映画撮影のために専用のワイコン(アナモルフィックレンズ?)を開発し、36.5mmとして使用。
(フロントコンバーターのためF0.7のまま)
キューブリックコレクションというところが機材のレンタルを行っているそうで、サンプルの動画を見ることができます。
Kubrick Collection

TOKO 5cm f0.7

50mm f/0.7というスペックのレンズは日本でも作られたことがあります。東京光学(トプコン)が旧日本陸軍向けに開発したTOKO 5cm f0.7と、戦後にそれを基にしたSimlar 5cm f0.7です。
TOKO 5cm f0.7は戦争中に10本ほど作られたようですが、戦後は行方不明。
戦後作られたものは南極探検用に何本か納品されたようです。
Column on the Simlar f/0.7 (Dec. 1951)
8枚構成で画角は30度、バックフォーカス?はわずか8mm。(ツァイスの50mm f0.7は4mmと言われています)

R-Biotar 5.5cm f0.85

東京光学よりもさらに古いのが、このR-Biotar 5.5cm f0.85です。
数が沢山作られたのか、他のレンズと比べると入手性がよく、100万円くらいあれば手に入ると思います。
バリー・リンドンのプラナーは2011年のオークションで9万ユーロの値がついたことを考えたら手に入る可能性はずっと高いと言えるでしょう。

現行のF1.0を切る超明るいレンズ

ライカのNoctilux

泣く子も黙るライカのノクチですが、現行はNOCTILUX-M 50 mm f/0.95 ASPHというレンズで、0.95です。お値段は130万円くらい。
ツァイスのDistagon 55mmをf2に絞っても、開放なのにぶっちぎるというapo-summicron 50mmと比べると現行のノクチは使っている人が多い気がします。
といっても、apo-summicronの方は出荷出来る数が極端に少ないそうです。

フォクトレンダーの0.95シリーズ

マイクロフォーサーズ用のレンズで17.5mm、25mm、42.5mmの3種類あります。
ノクトンシリーズ
コシナなのに普通というイメージ。

ノクトン17.5F0.95BK  COSINA NOKTON フォクト Micro Four Thirds 17.5mm F0.95  17.5F0.95BK
コシナ (2012-04-29)
売り上げランキング: 123,191

中一光学の0.95シリーズ

Mitakon 35mm F0.95
中国製大口径レンズの妙味
SPEEDMASTER 50mm F0.95

Speedmaster 50mm F0.95
中国のメーカーですが、案外ちゃんと写っています。
35mmはAPS-C用、50mmはフルサイズにも対応しています。
50mmは結構いいと思います。F1.0を切る現行品で一番欲しい。

IBELUX 40mm F0.85

マウントアダプターでお馴染みのKIPONの製造元が開発したらしい。
IBELUX 40mm F0.85
極端に明るいレンズは倍率色収差が結構出るイメージがありますが、よく補正出来ている方じゃないかと思います。

SLR Magic HyperPrime 50mm f/0.95

Cマウントのレンズをベースにしているらしい。
Cマウントのレンズだと50mmでf1.0を切るものはちょくちょくあります。